簡単に言ってしまうと、18歳未満の子どもは親の奴隷だということです。
では、親権の具体的な中身にはどんなものがあるでしょうか?
民法820条~824条には次のような定めがあります。
一つずつ見ていきましょう。
民法820条「親権を行う者は、子の利益のために子の監護及び教育をする権利を有し、義務を負う。」(監護教育の権利と義務)
820条の問題点は、2つ挙げられます。
1つ目は「子の利益のために」とありますが、誰が「子の利益」を判断するのでしょう。結局、親の価値観で決められてしまうのです。
2つ目は、父母2人だけに監護・教育の義務を負わせている点です。
民法821条「子は、親権を行う者が指定した場所に、その居所を定めなければならない。」(居所指定権)
要するに、子の居場所は親が決めるということです。
憲法22条に定められた転居・居住の自由は未成年者には事実上認められないことになります。
親の許可なく家出をすれば、虞犯少年として補導されることになります。
また、虐待から逃れるために家出をした子どもを保護した大人が、誘拐罪に問われることもあるのです。
民法822条「親権を行う者は、第八百二十条の規定による監護及び教育に必要な範囲内でその子を懲戒することができる。」(懲戒権)
民法823条「子は、親権を行う者の許可を得なければ、職業を営むことができない。」(職業許可権)
つまり、未成年の子どもは親の許可なしに仕事に就くことができません。
ここでも憲法22条の職業選択の自由が制限されています。
民法824条「親権を行う者は、子の財産を管理し、かつ、その財産に関する法律行為についてその子を代表する。」(財産管理権・代表権)
824条では、子どもの財産は親が管理することになっているので、お年玉やお小遣い、バイト代など親に取り上げられてしまっても子どもにはどうすることもできません。
また、スマホを買うなどの売買契約では、親に代表権があるので、親の同意なしに買うことはできなくなっています。
この親権があるために未成年の子どもが、親に縛られているリアルをこの国の政治家の、ほとんどは無関心であり気づこうともしません。
どうして虐待増加しているのか?どうしたら虐待を減らしていけるのか?本気で取り組もうと思えば、親権が壁になっているということにも気がつくと思うのです。
もともと無関心なうえに虐待の基礎知識さえも学ぼうとしなければ虐待で苦しむ子どもは、増えていくばかりです。
そして毎年のように虐待で殺される子どもも、増えていくでしょう。
毒になる大人は、自分の子ども時代にもつらい経験をしてきた人は多いです。
その痛みを大人になって忘れてしまったり「子どもの頃のこと」と記憶の奥の方に押し込めてしまう事があります。
「自分が生きずらいのは自分のせいだ」と思い込み、何でも自分を責めるのです。
人間は辛いこと痛いことには耳をふさぎ、目をそらしてしまう生き物です。
それは、本能的な自己防衛でもあります。
あまりにも辛すぎるリアルなので心が壊れてしまうからです。
これは私の経験ですが、初めて自分が親になった時育児雑誌を読み漁りました。
赤ちゃんのお世話の仕方、接し方など書いてあり そして一歳になったらこれができた 三歳になったらこれができたと写真付きでその子の成長記録が載っています。
他にもいろいろな役立つ情報も載っています。
私は、元夫にも「お前は母親なんだから」と毎日言われて精神的に不安定になっていました。
我が子にミルクを上げてもおむつを変えても、泣き止まなくて低い位置から思わず布団の上に投げたこともあります。
私は、子どもにたくさん話しかけたくさん抱っこして母親という責任を果たそうとしてきましたが、今思うと鬱になっていました。
子どもを育てるということは、子どもの数が一人だろうと二人だろうと関係なく本当に大変なのです。
一人ひとりの命と心を尊重しながらたくさんの愛情を与える責任があるからです。
初めての子育てをする時に確かに育児雑誌などは役に立つこともありますが、果たして写真に載っているその子と自分の子は同じでしょうか?
確かに目安としては一歳までにこれができるようになるなど参考になりますが自分の子がその通りに成長してないからと言って落ち込む必要はありますか?
子どもの成長も性格も個性も才能も一人ひとり違います。
それでいいのです。
親権にはこう書かれています。
その子の父と母にしかその子を養育する権利はない
つまり その子の父母にしかその子を育てちゃいけないということです。
これは親になった大人にとってもきつい文言だと思いませんか?
そして、この親権があるために未成年の子どもも、苦しんでいます。
上に示した通り 「成年に達しないものは父母の親権に服する」という鎖で縛られているからです。
毒になる親は、この親権がを知ってか知らずか「私の子どもなんだから何をしてもいいだろう」という勘違いをしています。
これは子どもを「人間」ではなく「私の道具」として見ているからです。
そして、それを当たり前だと思い込み自分の子どもを虐待するのです。
誰かがその間違いを指摘しようものなら「これは虐待ではなくしつけだ、人の家庭に口をはさむな お前には関係ないだろ」「私が虐待なんてするわけない この話はみんなこの子の妄想だ」と 平気な顔をして言うのです。
この言葉は実際に私が言われた言葉です。
恐ろしくないですか❓
このように毒になる親の特徴が4段階あると長い間 虐待問題に取り組んで若者たちの取材を重ねてきた 今一生 さんは言っています。
虐待をする親には、たくさんの問題を抱えている場合があります。
子どもの頃の環境は大人になってからも影響しています。
「子どもの頃のことだから」と大人になって自分が苦しいことをなかったことにはできないのです。
そのことに無自覚であったとしても、大人になってからの生きづらさは子どものころを振り返ると必ず原因があるからです。
私たち大人は時々でいいから、自分の子ども時代を振り返る必要があります。
そして何か心に、問題を見つけたら、それをぶつけるのは子どもではなくて病院や役所の相談窓口、あるいは友達などの助けが必要だということに気がついてほしいです。
目の前の子どもがあざだらけになっていて泣いていてもあなたはまだ「これは虐待ではなくてしつけなんだ、この子のためなんだ」と周りにいうのですか?
その子の心を壊してしまう前に、あなたができることは何ですか?
最後までお読みいただきありがとうございました。🐣
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